貧脚だっていいじゃない!

北アルプスで雪崩に遭遇

<長いです>

4月28日 新穂高温泉から左俣林道→小池新道ルートで登山開始
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前日は季節はずれの大雪 (しかも水分を含んだ重い雪)
そして、この日は気温がかなり高くなる予報で「雪崩」の危険は認識していた

左俣林道は雪に埋まり斜めに進まないと行けません
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歩き出して1時間
午前6時30分に、下山者4人組とすれ違う
時間と場所を考えると、かなり奇妙に感じた

登る時間は十分あるのに、こんな時間になぜ下山する?
と言うか、どこにテント張ってたんだ?
鏡平小屋近辺からは4時間以上かかるはずだし、なんなの?
と不思議に思ったが、挨拶だけですれ違う
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2時間ほど経過した
午前7時30分 わさび平小屋に到着
テント泊の人がいるのだが、この時間ならとっくに出発しているはず
先ほどの下山者のこともあったので、不思議に思い声をかける

「昨日は大雪で誰も山頂に行ってない。1900m付近で皆撤退」
「デブリが動いており雪崩の危険が高い。行くのはやめた方がいい」
「私はここでのんびりしてから帰ります」

こんな事を言われたが、トレースはしっかり付いている事もあり

「無理せず、小池新道の様子を見てきます」そう返事をして歩き出す私


林道を抜け、小池新道までやってきた
<ここまで、テント泊と下山者の人しか見かけていません>
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ここから先は所々でデブリを通過する必要あり
さずがに緊張するし、上部の様子を気にしながら一気に通過
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奥丸山との分岐点
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ここからは雪原みたいな場所を進むことになる
そして、ここに来て初めて他の登山がいることがわかる

黒い塊が転々と見える。その数 6

前方に6名の登山者がいる!そう思うとかなり気が楽になった
なにしろ、ここまで登山者を見かけなかったので心細かった

前を行く人達 (山スキー)
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目指すのは正面の山
しかし、左斜面からは常に雪崩の危険がある
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時々上のほうで ザザー と雪が落ちる音が聞こえる
その都度、登山者は立ち止まり音の方を見て状況を確認

前方にいた登山者であるが、スキーヤーの四人組は休憩している間に抜かす
さらに前にいた人は、一人がワカン・もう一人はつぼ足

膝まで埋まるラッセルをしながら、3歩進んでは息を整え整え歩いているのが
遠くからでもよくわかる。尋常でない苦労をしている

私も決して楽ではないが、スノーシューなのでこの中では最も戦力になる
なんとか追いついて交代をしないとダメだ!と思うのだが
全然追いつかない。進んでも進んでも前との距離が変わらない

先行者の一人が休憩していたので
「つぼ足で、よくここまで来たね。すごいよ!」などと会話をする
さらに、もう一人の先行者に追いついたので
「変わります」と声をかけて先頭でラッセル開始

↓左の谷を進むルートを考えていたが、無理と判断して
前方のくぼ地を目指して歩きます
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先頭でラッセルをするのだが、とにかく大変
膝まで簡単に沈む雪で、全然進まない
全身汗でビタビタで息も上がっているが、自分から名乗り出た以上
頑張って一歩一歩ゆっくりではあるがひたすら歩き続ける




そして・・・あの瞬間がやってくる

前回の記事でも書いたが

左側の谷から白い塊が波の様に迫ってくる
マズイ 雪崩だ!

自分の位置は・・・雪崩のほぼ中央・・・

ヤバイ・ヤバイ・ヤバイ・ヤバイ・ヤバイ
必死に動くが、3歩程度しか無理だった

見る見る迫る雪崩 もはや回避の方法なし
必死に考えるが、今さら何もできない

あっという間に目の前にまで迫る雪崩に対し

「死んだな」 
そう思った

家族の事を思い出したり、後悔したり・・・一切無かった
ただ、「死ぬんだな」と思っただけ。「死にたくない」という感情すらなかった

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目前まで迫る雪崩に何も出来ずにいる私 その距離5m





ついに運命の瞬間へ






雪崩が方向を変えて左にそれ、私の横(後ろ)3mの位置を通過していった

・・・・助かったのである

一瞬の出来事であるが、長い長い瞬間が終わった
奇跡的に雪崩が回避をしてくれた

呆然と雪崩を見ている私

「先頭の人、大丈夫ですか~!!!」
と後方から大声が聞こえた

「大丈夫!」と大声で私も返事をする

お互いの姿が確認できない場所だったこともあり、
後続者からは、私が巻き込まれたように見えたようだ

<落ち着いてから撮った写真> 黒い点が人です
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後続者が見えるが、雪崩が足元をかすめるほどだったそうです


雪崩を奇跡的に回避したのであるが、ただ回避しただけではなかった
私が先頭で歩いているとき、後ろがどれくらい開いているかしらなかった

実際には約30mほどの間隔となっていた
その二人の間を 幅25mほどの雪崩が襲ったことになる

私が2~3分余計に休憩をしていたら・・・
道中の人と会話をしていなかったら・・・

後ろの人にも同じ事が言えたであろう

二人の間をキレイに雪崩が通過して行ったのだ

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きったない絵ですまんが説明のアニメを作った
最初は私めがけて雪崩が襲うが、5mほど手前で曲がる
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実際とはちょっと違うけど、これ以上のものを作るの無理





さてさて、雪崩を経験した私達
皆呆然としている。というかこの先どうすべきか分からない

この先も危険地帯は続きます。積雪の影響で危険地帯を抜けるのには
あと、1時間。いや2時間ほど必要だ。
これからさらに気温が高くなるので、雪崩の危険はさらにます

次、さらに巨大な雪崩が発生したら・・・確実にOUT・・・

そう思った私は後方に向かい
頭の上で両腕クロスさせて×の印を掲げた

皆さん納得のようである

登山者はこの地点で全員撤退することになった
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道中すれ違う人にも雪崩のことを伝えた。他の人も次々と下山してくるし
さすがに皆さん状況を理解して登るのを諦めました

スキーヤーの四人組はこの先も進みましたが
スキーは下りを利用して横方向滑れば雪崩も回避可能だもんね


私もテント泊装備だし、安全地帯まで下った所で泊まって遊んでもよかったんだけど
さすがにそんな気にはなれなかった
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晴天のなか、食事を楽しんでこの日の山登りは終了

2泊分の荷物を用意して山へ遊びにきたんだけど
結局1泊もすることなく、どこにも登る事もありませんでした


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  1. 2013/04/30(火) 10:59:29|
  2. 北アルプス 日帰り
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